
今年の冬はレモンジャムを沢山試作した。
『もしも糖度がもっと高いレモンがあって
それをジャムにしたら?』
というコンセプトで自然な甘さと酸っぱさの
レモンジャムを目指して試作した。
お手本にしたレシピの原型が無くなるまで
試行錯誤を繰り返して
これはもしかしたら売り物になるかも?
という段階になって
『ちょっと酸っぱすぎるかな?』とか
『もっと甘いほうがジャムらしいかな?』
とか考え始めてしまった。
それまでは自分だけを満足させるジャムを
作っていたので
誰か別の人に食べてもらうことは考えずにいた。
『万人受け』が浮かんでからのジャムは
一言で言うと、記憶に残らない味。
少なくとも私が試食して購買意欲がそそられる
レモンジャムではなくなってしまった。
その後はなんとか美味しい味を取り戻したけども
『万人受け』という魔力に
取り込まれそうになった出来事だった。
怖い怖い。