
アメリカでは、春が来ても自然は黙りこくっている。そんな町や村がいっぱいある。
いったいなぜなのか?そのわけを知りたいと思う者は、先を読まれよ。
で始まる本書は、農薬が人体に害を及ぼす薬品であるとはまだ知られていなかった
1960年代に、実地調査を詳細に積み重ねることで、殺虫剤などの物質が人体と
自然に深刻な影響を与えていることを突き止めた本です。
『沈黙の春』が出版されたことで、今では広く浸透している
農薬を人体に過剰に取り込むことは危険なことである。
という認識を私たちが持つきっかけとなりました。
現代の農薬は毒性が弱く、正しい方法で散布すれば健康に影響を及ぼす事はない
といわれているのも、『沈黙の春』が国家に農薬の危険性を気づかせてくれた
おかげであると思いました。
さて、↑の気持ちと矛盾してしまいますが、
安全性をどれほど強調しても国はいつも本当のことは隠すし、
メーカーは食の安全よりも利益を追求してるのではないか?
という感情も併せて沸いてきます。
『沈黙の春』では、このように書いています。
私たちは、いまや分かれ道にいる。
長いあいだ旅してきた道は(中略)その行きつく先は禍いであり破滅だ。
目を見開き、どういう別の道があるのかを探さなければならない。
長い準備期間が必要になると思いますが、農薬を減らしていく道を探していきたいです。