
ジャムを固めるペクチンについて
市販のペクチンを使ったレモンジャムと、レモンから抽出したペクチンを使ったレモンジャム。2つのレモンジャムを製造しています。
市販ペクチンは『エコノミー』と結びつき、
抽出ペクチンは『エコロジー』と結びついています。
『エコノミー』と『エコロジー』。
ペクチンはこの2つの『エコ』について、考えさせてくれました。
エコノミー
市販ペクチンで製造したジャムは、ペクチン抽出の手間を省けるので、販売価格を安く設定することができます。
雑貨屋さんやマルシェなどで手作りジャムを見ると、食べてみたいと思うものの、値段が高くて躊躇ってしまうことが多いです。
自分の食べたいモノを自分の買いたい値段で販売したい!
という気持ちで製造したのが、市販ペクチンで製造したレモンジャムです。
エコロジー
ペクチンは、レモンの白いワタと種から抽出することができます。
自家抽出は、製造工程の手間が増えるので、販売価格が高くなってしまいます。
市販ペクチンも植物由来の食物繊維なので、健康被害を及ぼす可能性のある類の添加物ではないと考えて、上に書いた理由でレモンからのペクチン抽出はやめました。
でも、製造したレモンジャム(市販ペクチン)を持って近隣のパン屋さん、ワイン専門店などを訪ねて、店長さんとお話したことで、抽出ペクチンの持つ価値に目を向けることができました。
効率的では無いが無駄は少ない
ペクチンをレモンから抽出しなかった場合、白いワタと種の部分は特に使い道は無いので、捨ててしまいます。
ペクチンを抽出することで、レモンを余すことなく使うことができるため、効率的ではないが無駄を少なくすることができます。
抽出ペクチンの持つ価値に1つ目覚めました!
製造工程の透明性が高まる
ペクチンを自分で抽出することで、製造工程の中で自分の目に見える範囲が広がりました。
自分の目に見える範囲が広いと、お客様への説明はシンプルになりますし、なんとなく自分の気も楽になります。
抽出ペクチンの持つ価値に1つ目覚めました!
フードマイレージゼロ
愛媛県から我が家にやって来るレモンの中に、ペクチンの材料となるワタと種が含まれていますので、ペクチン単体のフードマイレージはゼロになります。
フードマイレージやバーチャルウォーターなど、環境保全についての概念があることは知っていましたが、身の回りのこととして捉える気持ちは薄かったです。
抽出ペクチンの持つ価値に1つ目覚めました!
エコノミーとエコロジーの両立
レモンジャムの材料:ペクチンを通して、エコノミーとエコロジーという2つの異なる価値観を考えることができました。
異なる価値観を背景に持つ2種類のレモンジャムを、一人の製造者が取り扱うことに、矛盾を感じる気持ちもあります。
でも、私自身が2つの価値観の双方を尊重しているので、いまのところは2種類のレモンジャムを取り扱おうと思います。
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