今回お話を聞くのは
小林正治さん(63歳)。
モリモリファーム園主が
2016年に通った
『山梨県立農業大学校』の同級生。
定年退職前からブドウ栽培に従事し
農大卒業後に再就職されて
現在、奥様と二人で
兼業農家をされています。
ではスタート!
→→→→→→→→→→→→→→→→→→
ー現在管理されているブドウ畑の
面積はどのくらいですか?
小:デラウェア 10アール
ピオーネ 10アール
甲州 10アール
シャイン 10アール
合計 40アールです。
ー40アールというと
6畳の部屋約400個分くらいですね。
デラウェアと甲州は醸造用ですか?
小:甲州は醸造用です。
デラウェアは生食用で
農協出荷しています。
ーシャインマスカットは
今も高い人気を誇っていますね。
シャインより前の世代で
よく似た品種として
『ネオ・マスカット』が
登場したときはどのような
反応があったのでしょうか?
小:ネオマスは若い頃少し
食べた記憶がある位です。
人気上昇中に未完熟商品が
市場に出荷されたことから
「すっぱいブドウ」と認識
されてしまって自然消滅して
いったそうです。
ー農大の授業で『奇跡のリンゴ』の
ビデオを見ましたね。
奇跡のリンゴについてはどう思いますか?
小:物語として感動しています。
栽培技術として可能であれば
チャレンジしてみたいという
気持ちもあります。
が、周辺の環境や農家のことを
考えたときに難しさが頭をよぎります。
栽培者としてロマンを求めて
『奇跡のブドウ』の物語を綴ってみたい。
という気持ちも少しあります。
ーなるほど。
私も未知の可能性に全てを賭けた
奇跡のリンゴのチャレンジには
感動しましたが、自分がやろうと
すると及び腰になってしまいます。
儲かる農業を実現していく上で
一番のネックになる部分は
どこになると思いますか?
小:生産と販売の両方にあると思います。
私の場合は大規模栽培ではないので
1.可能な限り丁寧に手をかけて
より良いブドウを育てること。
2.よいブドウを収穫することで
高価格取引ができるようになる。
農協出荷にしても個人販売にしても
有利だと考えています。
でも最近の自然環境の厳しさでは
なかなかブドウ良いブドウを
育てることが難しい。。。
栽培方法を考えることも必要だと
思っています。
ー確かに極端な猛暑や長雨といった
自然環境では、私たちが勉強した
慣行農法だけでは克服するのが
困難かもしれないですね。
小林さんが栽培方法で工夫されている
ことは何ですか?
小:現状確認ということで
「裸値(はだかち)」を
見極めたいと思っていて
特に多くの工夫はしていません。
土の力・木の力・自然の力。
などなど観察している状況です。
ー「裸値(はだかち)」という言葉に
馴染みがないのですが、どうやって
計るのでしょうか?
無肥料で栽培したときの収穫量とかですか?
小:工夫の手を加えない状態での姿を
見てみようとしている感じです。
現状観察という表現が妥当ですね。
どこが強くて、どこが弱いか?とか。
例えば我が家の土地でいうと
旧来からの川があって
河川整備がしないので
特に潅水しなくても
それなりの水分がありそうです。
その影響か今年のブドウは
それなりに玉張りが良かったと
考えています。
新梢の伸びも太さも想像以上に
伸びたり成長しているので
木の成長の面で見ると
もう少し弱める方向で考えても
良いのかな?とか思うわけです。
正面から向き合ってまだ日が浅い
ので色々と悩んでいます。
ーなるほど。次で最後となります。
植物の栽培については
私たちが農大で学んだ方法以外にも
さきほどの奇跡のリンゴの自然農法や
植物工場の水耕栽培などなど
色々なアプローチの方法があります。
私はそういう自由度の高さが農業の
魅力の一つと思っています。
小林さんは農業のどういうところに
魅力を感じますか?
小:サラリーマンを卒業して
日々感動の毎日を送れていることに
感謝&魅力を感じています。
まだまだ農業の入り口に
入ったばかりのような気がしていますので
日々のブドウの生長を見るにつけ
感動しています。
ブドウ畑は研究室ではなく現場なので
それほど思い切ったことはできないけれども
これからブドウについて自分は何が
できるのか考えているところです。
お客様に「美味しい」と言ってもらえる
ブドウを栽培していきたいと思います。
挑戦者の道を歩いていきます!
ーありがとうございました。
慣れないインタビューの練習にお付き合い
いただきありがとうございました。
小:自分を見直す良い機会でした。
ありがとうございました。